
時給って、交渉できるものなの?
「え、お前、同じ派遣なのになんでそんなに貰ってるの!?」
ボーナスの支給や給与査定がある7月になると、休憩室やオフィスで頻繁に聞こえてくる台詞ですね。
そう、派遣社員のエンジニアが同じ仕事を、同じ時間、同じクオリティでこなしていたとしても、給料が個人によって大きく違うことがあるのです。
なぜ、そんなことが起きるのでしょうか。
派遣社員の時給の仕組み
派遣社員の時給って、誰が決めていると思いますか?ほとんどの人は、派遣先の社長と答えるかもしれませんが、それは違います。
正確には、派遣エンジニアの派遣元である会社の営業マンが決定しています。
レバテックキャリアなど、派遣会社の営業マンは自分の派遣会社に属するエンジニアを色々な企業に売り込み、働いて貰うのが仕事です。
そのため、会社によっては時給を安く設定することもままあります。
例えば、本来の相場であれば時給1700円のところ、安めに1600円で相手企業に営業をかけるのです。
「派遣社員のエンジニアが稼げるって本当?」でも紹介したように、エンジニアは引く手数多ですから、ちょっとでも時給の安い派遣エンジニアは採用確立がグンと上がります。
そうやって時給を安くすることで、派遣元に入って来る利益が減るというデメリットもありますが、営業マンとしては営業成績が稼げ、派遣元としては多少安くても働いてくれれば収入が入るのですから、メリットの方が大きくなります。
ですが、問題なのは派遣エンジニアです。本来であれば1700円の時給でスタートできたものを、1600円から始めなくてはならない。
しかも、派遣社員の時給はそうそう簡単に上がるものではないので、下手をすると数年は時給が1600円のままなのです。
仮に毎日8時間、月に20日働いたとして、時給が百円違うと2年で384000円という給料の大差が出てしまうのです。
時給の交渉をすることがいかに重要か、これでわかりましたね。
時給っていつ交渉すればいいの?
基本的に、時給を交渉するのは「派遣元の営業マンと派遣先の企業を選んだ時」が主になります。
事前に、エンジニアの友達などが派遣先の企業にいれば、給料を聞いておくと大体の時給の目途を立てることができるので便利です。
派遣エンジニアの時給っていくらが相場なの?
派遣社員のエンジニアの時給は企業によって異なりますが、東京の中流企業に就職するエンジニアであれば時給1800円~2500円が相場になります。
「「プログラミング言語」を覚えて目指せ年収1000万!」でも書いているように、RubyやPythonなど需要の高いプログラミング言語を扱うことが出来れば、時給4000円以上という求人も見つけることができます。
ですが、会社によって金額は異なるものなので、派遣元の営業マンに、過去の採用履歴や平均給与を聞いて、参考にするとよいでしょう。
派遣エンジニアの時給交渉術
時給の交渉は、派遣元の営業マンとの静かなる戦いです。
とにかく自分が優位に立ちつつも、相手を怒らせない、傷つけないことが重要。自分が営業マンだったら、どう交渉すればOKしてくれるかな、という想像力が大切です。
ちょっと例文を見てみましょう。
【時給の交渉例】
営業マン「これから派遣先の企業と時給の交渉に入るのですが、1600円でよろしいでしょうか」
派遣エンジニア 「1600円ですか、あの、少し上げて頂いてもよろしいですか?」
営業マン 「いくらがご希望ですか?」
派遣エンジニア 「僕の同期で派遣をやっているエンジニアが時給2500円なので、それくらいは難しいでしょうか?」
営業マン 「2500円!? それは難しいですね~、かなり高額ですし」
派遣エンジニア 「ですよね……じゃあ、2000円はどうでしょうか?私はプログラミング言語の使える数も多いですし、役に立てると思うんです」
営業マン 「2000円か……うーん」
派遣エンジニア 「だめ……でしょうか?」
営業マン 「うーん……」
派遣エンジニア 「じゃあ、ほんの少し上げてくれるだけでもいいんです、1900円とか……ギリギリ1850円とか」
営業マン 「では……1700円でどうでしょうか?」
派遣エンジニア 「そこを何とか!どうか1800円でお願いできませんか?」
営業マン 「わかりました、では1800円で交渉してみます」
いかがでしょうか。お互いの立場を尊重しつつ、派遣エンジニアが上手に印象操作をしていることがわかりますね。
ポイントは
「提示された時給よりもそこそこ高い例が身近にいることを伝えること」
これをするだけで、営業マンの中の物差しを少しだけ長くすることができるので、時給交渉のみならず、八百屋さんや電機屋さんの交渉の際もおすすめです。
値段を下げる際も一気に下げず、人間が心理として安く、きり良く感じる金額を設定していきましょう。
特に2000円、2500円といった500円刻みはキリが良すぎるため、値段が高く感じやすい壁の一つです。その壁よりも少し低いところを着地点として想定しておくと成功しやすくなります。
まとめ
【まとめ】
・東京ではエンジニアの時給は1800~2500円が相場
・時給交渉は派遣先の企業を決めた時に営業マンと行う
・時給交渉時は怒らず、責めず、お互いの立場を尊重して交渉する
・時給を交渉する際、身近に高時給な同業同輩がいることを伝える
・時給交渉の着地点はキリの良い数字から少しだけ引いた金額にする
おわりに
時給で働く派遣社員のエンジニアにとって、時給の高さはとても重要な項目です。 日本の風潮としてお金のことを細かく言う人は意地汚い、という風潮がありますが、お金の交渉などというものはビジネスをする以上、当たり前のことです。
むしろ、お金を気にしないエンジニアの方が金銭管理が出来ていないという証拠なので、私が営業マンや人事であれば不安に思います。
現に、給料が安すぎるにも関わらず無理をして派遣され、生活が成り立たなくなって急に退職してしまったエンジニアもいらっしゃいます。
人手不足が常のエンジニア業界においてそのようなことが起きると、もう会社は大パニックです。
派遣先の企業や派遣元の企業に迷惑をかけないためにも、しっかりとした時給の交渉をしましょう。
最後に注意ですが、時給に能力が見合わない場合はどれだけ上手く交渉をしても相手企業に落とされてしまいます。
しっかりと実績を積んでおくか、「新卒、中途エンジニアにおすすめの国家資格6選!」で紹介したような有用な資格を取る、「「プログラミング言語」を覚えて目指せ年収1000万!」にあるような人気のプログラミング言語を習得するなどすれば、4000円以上の時給を手にし、年収1000万円や2000万円という高給取りになることも可能ですよ。
