
エンジニアの適正な平均年収とは
エンジニアの適正年収と一言で言いますが、適正年収とは十分な年収のことではなく、相場を意味します。
なので、一番手っ取り早く、日本のエンジニアの年収平均を見てみましょう。
DODAさんが公開している「2016年の年収ランキング(20歳~59歳)」において発表しているデータを見ると
セールスエンジニア 636万円/年
プロセスエンジニア 520万円/年
となっています。
セールスエンジニアは生粋のエンジニア業務と言い難いため、プロセスエンジニアを基準としてみると良いでしょう。
人口割合を置いておいてザックリ計算すると、ランキングを調べた年齢の中央、40歳前後のエンジニアの年収相場が520万円ということになります。
似た業界の職種を挙げてみると
webデザイナー 344万円/年
クリエイティブ 383万円/年
テクニカルサポート 440万円/年
となっているので、エンジニアの年収は比較的高めと言えます。
アプリケーション業界や工業用機械、以前「PlayStationVRでJavaScript、C#求人が急増!?年収1000万超え案件も!」でお話したPlayStationVRが発端となる映像機器の好調などがあり、エンジニアの需要は更に高まると予想されますので、数年後には600万円前後にまで平均が上がっているのではないでしょうか。
なぜエンジニアの適正な平均年収をお話したかというと、それには深い訳があります。
エンジニアを安く使おうとするブラック企業に騙されるな!
「生活型エンジニア」のように家族が出来、将来設計を考えるエンジニア。
「有名人型エンジニア」のように将来、著名なエンジニアとなることを目指すエンジニアなど、30歳~40歳のエンジニアというのは自分の将来を見据え、転職などの行動を起こす年代でもあります。
「自身のエンジニアとしてのキャリアアップ」を念頭に置いた転職や階級アップは私もおすすめするのですが、転職の際に「今の年収よりも高ければいいや」と考える人が多いので注意喚起をしています。
ハローワークや自社サイトの求人欄、転職支援サイトなど様々なエンジニアの転職を助けるものが公開されている昨今においても、年収をワザと安く書いたり、高い年収を書いておきながら実は残業代をフルに計算した金額だった、など色々な微妙な嘘求人が蔓延しているんです。
そこで必要となるのが、エンジニアの適正な年収を見る目です。
基準となる年収知識さえしっかりしていれば、この会社の年収は安いのか、高いのか。
平均よりも随分高いが、何か裏があるのではないか?
など自分で考え、ブラック企業の微妙な嘘を見抜くことができるようになります。
今は独身でも結婚後、老後の生活費を考えよう!
就労中のエンジニアに将来の貯蓄などの話をするとよく聞くのが。
「月収30万もあれば余裕で生活できる」
というセリフです。
確かに、そのエンジニアが結婚も病気も怪我もせず、年もとらなければ月収30万で十分かもしれません。
しかし、結婚をすれば保険や家賃を上手く抑えても現状の1.8~2倍以上の生活費がかかりますし、子供が生まれたり、老後、職が無くなった場合を考えるとしっかりとした貯蓄や資産運用が必要です。
あくまで例えですが、ザックリと生涯に追加される生活資金を挙げると。
- 結婚式 300万円前後
- 子供が成人するまでの学費、生活費 2000万円前後
- 定年後の生活費 4000万円前後(20年、年額200万円で生きた場合)
総額にすると6300万円程度かかる計算になります。
老後は年金があると言いますが、年金の支払い時期の後ろ倒しや年金支給額の低下を考えると、良くて一人当たりの年金月収は5~6万円程度(20年で1200万円前後予想)になります。
年金支給年齢も70歳にしようという流れも出ていますので、良くても10年は無収入の期間があるのです。
なので、独身で生きるとすれば2800万円、結婚する場合は4000万前後の老後用貯蓄が現在の生活費の他に必要となります。
30歳でこのことに気づき、定年までの30年で2800万円貯めるとすれば毎月8万円。 4000万円貯めるとすれば毎月11.5万円程度の貯金が必要になるんです。
果たして、今の年収で毎月8~11.5万円を捻出できますか?
結婚や出産、家の購入などをすれば、更に貯金が難しくなります。
現在の自分のエンジニアとしての年収を確認しよう
毎月8~11.5万円前後の貯金をしようとした場合、独身のエンジニアであれば年収300万~350万円。
結婚しているエンジニアであれば夫婦で年収600万円~700万円が妥当と言えます。
共働きであれば良いですが、女性は出産がある関係上、必ず働けなくなる期間が2年~5年程度発生します。
復職自体が難しい上、復職したとしても年収の低下は避けられないため、できれば旦那さんが500万円前後は稼いでおきたいところです。
2016年のエンジニアの平均年収通りであれば年収520万円なので少々不安が残りますね。
そういった場合、転職をするか、現在の会社でキャリアアップを図る必要があります。
老後のため、キャリアアップと転職は計画的に!
キャリアアップについては「エンジニアのキャリアアップに関する記事一覧」をご確認いただくとして、転職については
「エンジニア必見!転職しながら雇用保険でお金を貰う方法」
「プログラミング言語を覚えて目指せ年収1000万!」
「エンジニア人事部が教える転職して年収を増やすための求人票の見方~広告見出し編~」
「中途採用のエンジニアにおすすめ!エンジニア人事部が教える転職活動の時期」
「その他エンジニアの転職や面接におすすめの記事一覧」
を一読すれば年収1000万円を超えることも可能です。
文章を読むのが苦手という人は「レバテックキャリア」のような転職エージェントに相談をしてみるのも手軽な手です。
まとめ
- 一般的なエンジニアの平均年収は520万円
- 老後のために独身、既婚問わず2800万円は必要
- 独身なら毎月8万円、既婚なら毎月11.5万円の貯金をしよう
- 独身なら350万円以上、結婚を望むなら600万円以上の年収を目指そう
おわりに
エンジニアとして生きていく上でお金というのは非常に大切です。
ですが、日本の教育では具体的な老後のマネープランやお金の稼ぎ方を教えないだけでなく、お金を欲する人は卑しいという風潮があります。
そんな風潮を利用し、エンジニアを食い物にしようとするブラック企業は沢山あります。
しっかりとしたエンジニアの年収に関する知識をつけ、そういったブラック企業に騙されない転職、キャリアアップをして、豊かな老後を過ごしましょう。
