
なぜ面接が複数回あるのか、疑問に思ったことはありませんか?
「俺の受けた会社、五次面接まであるんだけど……」
「マジかよ、僕のところは三次面接で終わりだからよかったー」
面接回数の多さについては、就活時期の大学や専門学校でよく聞かれる話題ですね。
筆記試験から始まって、一次、二次面接と段階を上がっていくのはちょっとしたゲーム感覚があり、辛い反面、多少の楽しみもあるかと思います。
……まぁ、最終面接まで行って落ちたらその分ショックも大きいですが。
でも、よくよく考えてみたらこの面接が複数回あるってちょっと変だと思いませんか?
「面接のプロがいるのだから、よくて筆記と一次面接だけでいいじゃないか!」
と思う方もいるかと思います。
そこで、面接の裏も表も経験し、知り尽くした人事の私、swiftが複数回ある面接についてご説明したいと思います。
面接回数が多いって、実は企業にとって利点でもあるんです
面接回数が多いから企業に利点がある……と言われてもイマイチわかりませんよね。
ですが、これは事実です。
月間採用人数が数名のような小規模採用では無意味ですが、数百人~数千名を採用する企業となれば話が違ってきます。
さすがに人数が二桁を超えてくると、数名の面接官だけでは公平なジャッジができないんです。
面接時間が長すぎて、集中力も持ちませんからね。
そこで、面接を三回~五回程度に分けて、最初は人事部の新人や、役職付の若い社員などと協力してザックリとザル採用を行います。
そして、後半になるにつれて精鋭の人事や会社の重役を交えて面接をする。
こうやって面接の制度を上げていきます。
面接回数が多いと学生が逃げにくいという利点もある
「とりあえず、目ぼしい会社は全部受けて、受かった中からいいところを受けよう」
こう考える学生は多いですよね。私も、学生の時はそういう就活を行っていました。
そのため、少ない面接で採用を行う企業は学生側からふるいにかけられることが多く、折角採用を出したのに後で断られてしまう、という事態が発生しやすくなります。
ですが、五次面接まであればどうでしょうか?
就職活動が後半まで長引くため、早々に受かった企業は辞退しなければいけませんし、多くの段階をクリアしたのですから、達成感からその企業に入社する確率がグッとあがります。
つまり、転職活動にプレミア感がつくのです。
手塩にかけて受けた企業は大切に扱ってもらえる。
だからこそ、複数回の面接に意味があります。
……って、ここまで聞いてわかると思いますが。
面接が複数回あることって、企業側にメリットはあれど、面接を受ける側。転職者や学生にはなーんにもメリットがありませんよね!
複数回面接なんて私たちには何のメリットもない!中小企業にも意味なし!
ここまで説明した複数回面接のメリットがあるのは中の上、もしくは大企業のみ。
中小企業にもほとんど意味はありません!
その証拠に、レバテックキャリアやシリコンスタジオ エージェントなどの転職エージェントなどを利用した採用面接は基本的に一回で終わります。
わかりますか?一回で終わります。
それは何故かというと、よほど心理学を知り尽くし、熟練した人事でなければ人の良し悪しなどわからないからです。
だからこそ、ザックリと面接と経歴を見て、良さそうならとりあえず使ってみてダメなら試用期間の間にお断りします。
面接に時間と費用をかけるくらいならば、試用期間で雇ってみた方がよっぽどいい人材をゲットできるのです。
これはエンジニアなどのIT業界だけでなく、他の業界でもそうです。
どれだけ経歴がよく、人当たりがよくても仕事の技術は共に作業をするまでわかりません。
英語がペラペラだと思ったら喋れるだけで聞く能力はほとんどなかった。
プログラミングができるというから採用してみたら簡単なゲームも作ったことがなかった。
能力があると思ったら身なりが不衛生すぎて、悪臭問題にまで発展した。
面接の時はみんな自分を偽りますし、それが当たり前です。
だからこそ、会社のためを思う人事なら面接回数を少なくし、試用をお勧めするのです。
ちなみに私が従事していた会社もほとんどが一次面接か、多くて二次まででした。
人を選ぶことの難しさ、時間をかける無駄を理解している社長に恵まれたからだと私は思っています。
会社の規模に見合わない面接を行っている会社は受ける必要なし!
応募人数が少ないのに、複数回の面接を行っている企業は基本的に面接というものをわかっていないか、やたらと意識だけ高く、社員を雑に扱うことが多かったりします。
なので、そういった会社はそもそも受ける必要などありません。
面接基準も大きく変わろうとしている昨今、就活期間の長さはその後のキャリア形成にも大きく影を落とします。
例えば、入社する会社がわかっていれば事前に会社に合わせた勉強やセミナー参加、資格取得などができますが。
ギリギリまでどの会社に入社するのかわからなければ、精神が摩耗するだけで自己研鑽など何一つできません。
学生であれ転職者であれ、採用までの時間は長いよりも短い方が有利なのです。
面接期間が無意味に長い会社は避けるのが無難です。
