
履歴書が正しく書いてあるだけじゃ、受からない!
巷に氾濫している履歴書の書き方を見てみると、やれ正しい書き方がなってない、正式な文法はこうだ、と履歴書の書き方についてのみ言及しているものを多く見かけます。
確かに、履歴書のマナーとしては正しいんです。
ただ、教本を見ながら履歴書を書いているエンジニアに考えて欲しいことがあります。
書いた履歴書を、今度は自分が面接官になったつもりで読んでみてください。
名前に年齢、住所、出身学校もちゃんと書いてある。趣味も資格もお手本通りに書かれている。
いくつかのプログラム言語も習得しており、エンジニアとしての能力も申し分ない。
そんな履歴書を見た面接官としてのアナタの中に思い浮かぶのは。
「このエンジニアを雇うことで我が社にどんなメリットがあるんだ?」
となるはずです。
確かに字も綺麗で優秀な学校を卒業しており、面白い資格も持っている。
趣味も体に良く、コミュニケーション能力も高そうだ。
でも、この人をどこで活かせばいいんだ?となるんです。
私が人事の時は多少、マーケティングや自社の運営コンテンツに口を出していましたから、この人なら〇〇の役に立ちそうですよ、などと部署の部長や社長に進言したものですが、普通の人事はそんなことを考えません。
「部長からRubyの言語に秀でたエンジニアが欲しいと言われているけど、この人は……プログラム言語は10種類も使えるのに、Rubyは使えないのか、採用は見送るか」
で終わりです。
通常は多種多様なプログラム言語を使えるエンジニアは貴重な人材なのですが、人事にとって、その時に募集している内容を満たさない人は全てNGとなってしまうのです。
そのため、エンジニア側から自分の上手い使い方、活用法を提案する必要があります。
ぜひ、この記事を読んで、履歴書の書き方、アピール方法を学び、エンジニアとしての就活をクリアしましょう!
履歴書以外にも「エンジニア向けの転職面接のコツや」「職務経歴書の書き方」なども掲載していますので、そちらも合わせて勉強しておきましょう。
履歴書は8つのパートで出来ている!
細々と書く欄が多い履歴書ですが、ザックリと8つのパートに分けることができます。
各パートごとにエンジニアの就活で効果的な書き方をご説明します。
ちなみに、手書きかPC作成かという論争が各所でありますが、基本的にはどちらでもOKです。
ただ、古参の大手企業の場合は格式を重んじる場合があるので手書きが無難でしょう。
【履歴書の8パート】
・証明写真
・氏名、住所
・学歴、経歴
・免許、資格
・志望動機
・趣味、特技
・本人希望
・通勤時間、扶養
証明写真だけは手を抜くな!
写真なんて顔さえわかればいいと思っているエンジニアが多いですが、実際は証明写真で印象が大きく左右されます。
どれだけ優秀なエンジニアでも不愛想で髪はボサボサ、変な私服のまま撮った写真ではまず採用されません。
写真屋さんなどで頼めば高品質な証明写真を比較的安価に大量生産してもらえるので、少しだけ奮発して、ちゃんとした写真を用意しましょう。
どんな顔の人であれ、きっちりとスーツを着こなし、爽やかな笑顔を浮かべ、身だしなみが整っていれば人事に好印象を与えることができます。
氏名、住所は読みやすく!
履歴書の左上、氏名、住所欄で書く内容はごくごく一般的なので、書いたことが無いという人はまずいないと思います。
ですが、中途半端に知っているからこそ、失敗してしまう部分でもあります。
氏名、住所はとにかくわかりやすく、きっちりと書いてあればいいので、綺麗な手書きか、自身が無い人はPCで作成してしまいましょう。
【作成年月日】
履歴書を作成した年月日を記載します。
年の部分は元号準拠なので、くれぐれも西暦で書かないように注意してください。 (記入例:平成29年2月26日)
【ふりがな、氏名】
氏名はしっかり漢字で書けば良いとして。
「ふりがな」については平仮名で書いてあれば平仮名、カタカナで書いてあればカタカナが基本です。
エンジニアさんによっては「ひらがな」と書いてあるのにカタカナやローマ字で記載する人も多いので注意しましょう。
【生年月日、性別】
自身の生年月日と性別を書きましょう。
また、ここで書く性別は戸籍上の性別です。
もし性同一性障害などをお持ちの場合は、戸籍上の性別を書いた上で本人希望欄などにその旨を記載しましょう。
【住所】
郵便番号、住所、アパート名を読みやすい字で記載すればOK。
「現住所以外に連絡する場合のみ記載」の欄については、現住所と同じであれば「同上」と記載するだけで構いません。
念のため実家に連絡が欲しい、などの要望がある場合は実家の住所を記入しましょう。
【電話番号、メールアドレス】
読みやすい字か、PC打ち込みで作成しましょう。
メールアドレスは特に規定が無いものの、あまりにも下品なもの、突飛な言葉が使われているアドレスの場合は面接用のフリーメールアドレスを作成しましょう。
学歴、経歴は必要な分をキッチリ書こう!
学歴、経歴はそのエンジニアの過去を保証する顔と言っても過言ありません。
新卒の方は出身高校から記入すれば問題ありませんが、転職を多くしていて書ききれない場合は専門学校、大学などの最終学歴から記載してください。
こちらも年の記載は元号なので注意する必要があります。
免許、資格は仕事に関係のあるものを
免許や資格はいっぱい書けばいいという訳ではありません。
面接官も人間なので、面接をするエンジニアの所持資格が多すぎると個々の資格の印象が薄くなってしまいます。
運転免許や国家資格などの難しい免許、資格以外は業務に関係あるものだけに絞って記載しましょう。
話のネタになるような強いインパクトを持つ資格は1~2つ記載するのもアリです。
検定など資格ではなく能力を示すものもこちらに記載しましょう。
また、エンジニアなので使用可能なプログラム言語もこちらに記載しておくと話がスムーズに進みます。
志望動機は「どうして選んだのか」ではなく「どう会社の役に立つと思ったのか」を書こう
志望動機と欄に書いてあるだけあって、なぜこの会社を選んだのか書いてくれるエンジニアさんは沢山いるのですが、肝心な「自分はこの会社にどう貢献したい!こういう時に役に立つと思います」という提案が無いのが現状です。
ここでしっかりと自分の売り込みをしておけば、一気に面接官からの期待度がアップします。
(記入例:私は御社のテニスゲームのアプリが大好きで、プログラムだけでなくモーションキャプチャを使ったCG技術も習得しました。御社ではただのエンジニアとしてだけではなく、ゲームを作る上でのキャラクターの動作や、見た目の美しさなどのデザイン的な業務でも活躍したいと考えています。)
趣味、特技は話のネタにするものを
趣味、特技は無難なものを書こうと指示する教本がありますが、あれは面接に受かるための作法としてはNGです。
我々面接官は、ちょっと気になる特技や趣味があると、そのエンジニアの人柄を知ろうとして問いかけることがあります。
ここで、読書や散歩などごくごく普通の趣味だった場合、折角のエンジニアへの質問の機会を逃してしまいます。
就活に受かる履歴書を書きたいのであれば、少しでもいいので話の種になりそうな趣味や特技を書きましょう。
(記入例:趣味は和太鼓とトライアスロンです。)
本人希望欄は自分のやる気をアピールする場所
空白で済ませることが多い本人希望欄ですが、ここでやる気を見せておくと、面接の際に高評価になります。
転勤の可不可や、希望職種などをしっかりと記載し、こういう使い方もできる人物だということをアピールしておきましょう。
(記入例:転勤は日本全国どこでも可能なので、積極的に転勤の必要な仕事を希望します)
通勤時間、配偶者の記入忘れには要注意!
通勤時間と配偶者の欄はそのまま通勤にかかる時間と配偶者の有無などを記載すればいいのですが、ここを書き忘れるエンジニアさんは結構多いです。
特に配偶者の有無は雇用契約の際に追加書類や申請などがあるため、後出しされてしまうと非常に厄介。
履歴書の最後の最後はきちんと書ききってから終わりましょう。
まとめ
・証明写真はプロに依頼し、身だしなみに気を付ける
・氏名、住所は読みやすく正確に書く
・学歴、経歴は必要な分を簡潔に書く
・免許、資格は業務に関係のあるものをピックアップして書く
・志望動機は自分の活用法を書く
・趣味、特技は話の種になるものを書く
・通勤時間、配偶者は記入漏れに注意
おわりに
「転職で受かるエンジニアの職務経歴書の書き方」にて履歴書は職務経歴書と比べて重要視されないと説明しましたが、それはあくまでちゃんと書けていればの話。
履歴書すらボロボロのエンジニアが来た場合、職務経歴書の内容も酷いのだろうなと勘繰られ、流し読みされてしまう可能性があります。
新卒であれ中途であれ、就職活動をするエンジニアにとって履歴書はそのエンジニアの顔となります。
この記事でキチンとした履歴書の書き方を学習して、万全の体制で就職活動に臨みましょう。
「面接のコツ」や「就職活動の時期」などのアドバイスも他の記事で紹介していますので、合わせてそちらも読んでみてください。
