
志望動機に関する嘘
「志望動機どうしよう……」
「志望動機なんて適当でいいんだよ適当で!」
「新卒エンジニア」だけでなく「派遣エンジニア」や「フリーランスエンジニア」でも、誰でも一度は経験したことがあるワンシーンですね。
履歴書の志望動機など適当でいい――そういう指導をする教員の人もいますが、人事である私から言わせて頂ければ。
「志望動機の質で合格率を30%はアップすることができます」
確かに、学歴や職務経歴、作成作品の方が合格率に大きく貢献します。
その為、志望動機を捨てている人はエンジニアであれ、一般の職種であれ多くいます。
そんな中、がっちりと食い込む志望動機を述べ、そこから話題を広げていければ、一気に採用へと近づくことができるのです。
志望動機に熱意、やる気を込めろというゴミ論理
よく、学校の教員やハローワークの指導係が言う言葉として。
「参考があるから、それを真似て書けばいい」
という無知蒙昧なアドバイスがあります。
履歴書の書き方を読んで、それを真似れば十分と言うのです。
そのせいか、判で押したようなテンプレート志望動機が私の面接の際も多く見られました。
そういったテンプレート志望動機を紹介している本は実際に人事などやったことが無い。
会社で採用など行ったことが無い、なんちゃってスペシャリストが書いている場合が多いので、猫の手ほどにしか役に立ちません。
ハッキリ申し上げます。志望動機の書き方に「やる気」「熱意」などと書いてある参考書があったら
今すぐ捨ててください。
勿体ないと思うのであれば、手元にある履歴書の書き方本を手に取って、例文を読んでみてください。
そして、自分の会社を持っていると仮定して、その人物を採用したいか、判断してみてください。
会社への採用は切羽詰まっておらず、いい人がいれば採用する、という感じで。
どうですか?全く、魅力を感じないでしょう?
その理由は美辞麗句とやる気論だけで書かれているからです。
相手の会社を褒めたたえ、自分はやる気があると誠心誠意伝える。
そんなことをされても
「あ、うん……やる気はあるみたいだけど、キミがこの会社に必要かわからんよ」
となってしまうのです。
志望動機のコツは「結論」「分析」「提案」「未来予想」
前項でも書きましたが、志望動機は根性を示す場とよく勘違いされます。
しかし、実際の志望動機で重要となるのはロジカルな思考です。
先に「結論」で自分の意志を述べ、詳細説明として現在の会社の「分析」。
自分を使った改善策を「提案」しどのような利点があるか「未来予想」を述べる。
この4段展開を書くだけで、最強の志望動機が完成します。
例文を見てみましょう。
【志望動機例】
志望先:IT会社私は御社に入社し、世界展開を手助けするエンジニアになる予定です。(結論)
現在、御社はゲームアプリをリリースしており、国内で売り上げトップ5に入るほどの成功を収めておりますが、海外でリリースされたものを見ると、売り上げは途端に下がります。
私なりに原因を調査したところ、「ゲームの遊び方がわからない」という意見が多くありました。(分析)理由として考えられるのはUI、及びゲームの遊び方が海外で有名な同種のゲームと大きく違うことです。
なので、私がアプリの海外展開チームに入り、海外に適したゲーム作りを手助けできればと考えています。(提案)私は英検2級を持っており、英語の会話も得意です。
プログラミング言語も5種類ほど使え、海外のゲームアプリにも精通しています。
私が御社に就職すれば、海外での売り上げが上がること間違いなしです。(未来予想)
上記は一般的なテンプレ―ト志望動機と比べ、圧倒的にロジカルな返答になっていますね。
志望先の会社にこの人材がどう役に立つか、一発でわかると思います。
私は御社の弱点をどう補強できる。
私は御社の長所をこう伸ばすことができる。
そのように分析、提案、断言をすることで、相手の人事、社長への印象がガラッと変わります。
嘘だと思うのであれば、一度面接で試してみてください。
このルールを守った志望動機であれば、必ず評価が良くなります。
まとめ
【志望動機のコツ】
①「結論」…自分はどうする予定か
②「分析」…会社はどんな状態か
③「提案」…会社の改善案を提示
④「未来予想」…改善案を行使した結果を断言
おわりに
今回は「新卒エンジニア」や「転職エンジニア」にはおなじみ、志望動機の紹介をしました。
一般に出回っている履歴書の書き方本は、机上の空論、建前論のみの燃えるゴミがほとんどです。
もし参考書や書き方のサイトを確認する際は、著者が企業での人事経験があるか無いか。
そして、このサイトでお教えしたロジカルが組み込まれているか、注意深く見てくださいね。
