
週休三日制、採用されてもいいんですか?
「あの有名企業も週休三日制だってよ!うちもならねぇかなぁ」
最近、週休三日制に関するニュースが何かと話題になっていますね。
「人事部が教える週休二日制と完全週休二日制の違い」にて説明しましたが、週休三日制では語弊があるので、完全週休三日制と言い換えて話を進めさせて頂きます。
週の休みが三日になるのですから、完全週休三日制というのは非常に魅力的に見えますが、休日が増えるということは、そのために色々な不都合を増やすことになります。
もし自分が働いている会社が完全週休三日制になったらどうなるか……ちょっと想像をしてみませんか?
完全週休三日制ってなに?
簡単に説明をすると、毎週3日間は休みを取れる制度となります。
一般的な休日といえば土曜日曜ですが、完全週休三日制だから土曜日曜月曜休み!という訳ではありません。
日程は会社側に選択権があるので、月曜、水曜、土曜など飛び飛びの休日であったり、三日間連続、という場合もあります。
三勤務交代の企業では休日の曜日がコロコロ変動することもよくありますね。
完全週休三日制と週休三日制の違いについては「人事部が教える週休二日制と完全週休二日制の違い」をご確認ください。
完全週休三日制のメリット
なんといっても休みが増えることと、社会全体としては個人の生活・娯楽消費額が上がることがメリットになります。
どんなに倹約的な生活をしている人であれ、会社に9~10時間いる場合と、一日中家にいる場合ではどうしても生活にかかる費用が上がります。
普段からお金を使う人の場合であれば、休日が増えればレジャーや旅行に行く機会が増えますから、その分娯楽の消費額がアップしますよね。
日本政府が狙っているのは、この個人の消費額の増加が目的です。
我々個人が享受できるメリットは、とりあえず休みが一日増える、ということだけです。
完全週休三日制のデメリット、日本人総下流生活の始まり
完全週休三日制を採用した場合の最大のデメリットは、就業日の労働時間、労働過密度の増加、もしくは賃金の大幅な低下です。
毎月20日働いていたのが16日に減るのですから、当然と言えば当然です。
完全週休三日制度によって浮いた四日間を労働時間に直せば8×4=32時間。
それを残りの16日に割り振るのですから、毎日+2時間の残業ですね。
ノー残業でこなしていたホワイト企業でも帰宅時間が夜遅くになり、普段から1~2時間の残業をしている企業であれば終電どころか始発帰りなんて当たり前になってしまいます。
「生活重視型エンジニア」のような家族を持つエンジニアや、趣味が多いエンジニアは帰宅が大幅に遅れるのですから、大問題ですよね。
逆に、残業をしない場合は減給です。
企業としては受注量を減らす訳にはいかないでしょうから、「派遣社員」やアルバイトなどで不足した労働力を補うでしょう。
人員を追加する場合、問題となるのが国民の労働人数です。
ただでさえ少子高齢化により日本国籍の労働人口が足りていないというのに、そこからさらに人員を欲するとなると、海外に頼るしかありません。
仕事のほとんどは外注とし、スタッフは給料二割カット。
問題を完璧に解決したように見えますが、生活水準が大きく低下することは確定です。
「エンジニアの平均年収の適正価格はいくら?」で解説したプロセスエンジニアの平均年収は520万円ですから、年収は-104万円!毎月にすると約8.7万円がどこかに消えてしまうことになります。
8.7万円といえば、しっかり貯金をしている家庭であっても毎月の貯金額が全部吹っ飛びかねない金額です。
下手をするとお父さんのお小遣いも全額消えてしまう事態になりかねませんから、いかに大変なことかわかりますね。
おわりに
「人事部が教える週休二日制と完全週休二日制の違い」や「取らなきゃ損損!いろんな休暇制度その①」などでも説明していますが、制度というものはキチンと理解していなければ諸刃の剣になりかねません。
完全週休三日制度についても、キチンと把握していれば有意義な休日を過ごせますし、理解を怠れば地獄のような極貧休日を送ることになります。
本サイトでは色々な制度や就活用語などについて説明していますので、ぜひご覧になってくださいね。
